思い出にひたれる季節

クリスマスの定番の曲が流れてくると、ふしぎに思い出すことがいくつかありますね。
その中には、大切な思い出もあって、それは本当にちょっとしたことなのに、必ず思い出すものなのです。
私の街ではクリスマスに雪がふるなんて、そんなロマンチックなことはないし、街はロマンチックを通り越して、ただただお祭り騒ぎの用にクリスマスを理由にして騒いでいます。

でも、教会の前を通ると、そこだけは、本来のクリスマスの様相をしていて、その道は、二人にとっては、ただ歩くだけで楽しい道でした。
いつもの通学路を帰ると、ここは通らないです。
だから、二人きりで帰れる時だけ、その道を使っていました。
真っ直ぐな道で、両脇は、もともと武家屋敷だったためが、敷地の広い背の高い塀に囲まれていました。
そんな道を、二人で歩いていると、時間がゆっくりになるような不思議な感覚があって、教会の前に経つと、その時だけは時間がとまっているような気がしていました。
普段話す進学の話や、家のことなどははなさず、クリスマスってさ、といった会話をしていたような気がします。
教会の周りだけは神聖で、世俗の話はしちゃいけないような気持ちになるのがクリスマスだったのです。
この教会は町の高台にあったので、そこを過ぎて次第に町のなかにおりていくと、げんきんなことに私たちも、プレゼントの話をしたり、パーティの計画を練ったりしていたのすけどね。
でも、そんなクリスマスにもかかわらず、いつも思い出すのは、教会でちょっとロマンチックな雰囲気を楽しんでいた時間のことばかりなのです。

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